原発大国フランス

同じEUだけれど、フクシマ以降「脱原発」に舵をきったドイツ、イタリアに対してフランスは原発推進国。
この本の最後の文章。
アンリ・ベクレル(放射能の単位となった)やキュリー夫妻といった物理学者たちによって原子力という、パンドラの箱を開けたフランスが今後、「原発大国」としてどんな道を歩んでいくのか。日本にとって、フランスの進路を注視し、参考にすることは決してマイナスではないはずだ。

「事故は起こるもの」としてその対応を怠らないフランス。安全神話で推進した(再稼働をはかる)日本。
国民性の差に愕然。そして日本の情けない状況が鮮明になる。「自由、平等、博愛」は「独立」と同意語。国の独立(軍事的・政治的)、エネルギーの独立(化石燃料に依存しない)として原子力政策を推進するフランス。国家的な組織、中央集権的なリーダーシップ、透明性など参考にすべきことばかり。経済優先の日本の現状を嘆かざるをえない。僕は断固反原発派である。

原発大国フランスからの警告 山口昌子著 ワニブックスPLUS新書

著者は僕の注目するジャーナリストのひとり。取材力がすごい。