錦繍 再読

ふたりの洋子さん(小川洋子 平松洋子)が推していた錦繍(宮本輝)を再読。4年前に読んだはずだのにはじめて読むようだ。冒頭の蔵王の場面や喫茶店「モーツァルト」炎上の場面は蘇ったけれど、離婚したふたりの書簡のやりとりは新鮮だった。脱落していく男と暖かい家庭に恵まれない女。お互いに過去を語り合うなか未来に光を見いだす。今の世の中、長い手紙というのはないだろう。メールやツィターではこうはいかない。

錦繍 宮本 輝著 新潮文庫