アルファベット・ハウス

アルファベット・ハウスはナチの精神病院。イギリス空軍パイロットの2人は、撃墜されたあとここに逃げ込んで精神病患者を装った。病室には同じように仮病の親衛隊員が何人かいた。仮病が見つかれば銃殺という過酷な環境の中2人は生き延びる。この小説の前半は緊張感をはらんで展開される。3人のナチ親衛隊員(彼らも仮病をつかっている)に2人は虐待され続けるが、ブライアンは脱走に成功する。親友のジェイムズを残して・・・・。
28年後、ブライアンはジェイムズを探しにドイツに渡る。3人のナチ親衛隊員は横領した財宝をもとにぬくぬくと街の名士として暮らしていた。しかもジェイムズは狂人として彼らの監視下にあった。ジェイムズはは30年にわたって狂人を装って生き延びていた。ブライアンが助けにこないことを根に持っていた。600ページ近いミステリーを年末年始に読み継いでいた。今は緊迫感から開放されて、ほっとしている。

アルファベット・ハウス J A オールスン著 鈴木 恵訳 ハヤカワ・ミステリ・ブック