イタリアからイタリアへ

僕は切れ味のよい文章を書く内田洋子の作品が好きだ。今回は5冊目。どれもイタリアを活写していて面白いが、今回のは留学したナポリ、ジャーナリストとして仕事をしたミラノ、ニースに連なるリグリアの港町での生活を通して自伝的にイタリアを描いている。卒論はイタリアの南北問題だったそうだが、いまも南と北では風土も人物も別の国のようだ。へ〜と思ったのは、フェラーリーの赤はトマト由来だったこと。農機具にもフェラーリー・レッドが使われる。イタリアのデザインはどこからくるのか?堪能の1冊だった。

イタリアからイタリアへ 内田洋子著 朝日新聞出版