世界でトヨタを売ってきた。

著者とは入社年次が10年ぐらい違うのと仕事の分野が違ったので面識はない。
僕はずっとトヨタがこんなにも躍進したのか解せないできた。開発部門や生産部門がエンジンになってきただの、TPS(トヨタ生産方式)だのVEだの喧伝されるがイマイチピンとこない。リーダーシップに秀でた人物がいたかというと幾人かの名前は思い浮かべるものの確かにそうだというほどのことはない。組織力?? 今回、この本を読んで近年の進展はこんな人物の活躍に負うところが大きかったのを知った。著者に影響を与えたのは川喜田二郎氏(KJ 法 文化人類学)と横井明氏(元副社長)だったという。特に学生時代(東工大)のチベット貧村でのフィールドワーク(水道埋設、運搬ケーブル敷設)が源泉となったようだ。新興国での生産・販売体制の整備に力を注いだ。なかなかいい話が聞けた。数あるトヨタ本の中で出色だ。

世界でトヨタを売ってきた。 岡部 聡著 開拓社