「下り坂」繁盛記

嵐山光三郎は僕と同い年の1942年の生まれ。国立山口組(山口 瞳)に属する雑文書きだが、時々はいい文章も書いている(芭蕉について造詣が深い)。自堕落な暮らしぶりに苦笑を禁じ得ないが、人生の下り坂にあたっての心得として大いに参考になる。老母ヨシ子さんとの俳句を介した交流は心打つものがある。後半にある句会のエッセイもいい(桜蕊という言葉を知った。花が散った後の赤い軸をそういうのだろう)。「下り坂が最高」「人生も下り坂がいい、リラックスして自然体」大いに共感!

「下り坂」繁盛記 嵐山光三郎著 ちくま文庫