日本の電機メーカーが消える

「ロケット・ササキ」の著者による衰退する日本の電機メーカーのレポート。失敗の本質が見えてくる。 佐々木 正がいながらなぜシャープはホンハイに買収されたかを知りたい。それがこの本を読む動機だった。技術偏重とその驕り。さしもの佐々木も巨艦主義(亀山・堺の液晶パネル工場)をコントロールできなかった。
・高い技術力があれば売れるという思い込み・過信。
・テレビからインターネットへの流れを誤認。
・AV・TV のコモディティ化中韓台電機メーカーの台頭。
マーケティング(新しい市場で顧客が何を望んでいるか)の欠如。
東芝、シャープ、ソニーパナソニック、日立、三菱電機富士通が俎上に乗る。
電機メーカーは電力会社、電話会社に依存して成長してきた。どちらも電気料金、電話料金という公共料金(いつでも値上げができる)に支えらてきたのだ。グローバル化の中で真の実力を問われる。
儲け頭のメモリ事業を手放す東芝は悲惨だ。日本の電機メーカーの現状を知るのにいい情報を提供してくれている。オススメの一冊。

東芝解体 電機メーカーが消える日  大西康之著  講談社現代新書