自動車会社が消える日

センセーショナルなタイトルにひかれて手にした本だが、案外読み応えがあった。著者は朝日新聞の経済記者だった経済ジャーナリスト。取材力もあってしっかり現況を捉えていると感じた。
ここに書かれていることは、10年前に自動車会社を卒業したメカニカル エンジニアにとっては新しいことばかり。100年に1度のパラダイムシフトというのもまんざら大げさな表現ではない。
スマホ化・ロボット化するクルマ、バーチャル エンジニアリングによる開発期間の短縮、トヨタのEVの遅れ、VW 日産 マツダの動きなどなど興味深い。その中でのトヨタの危機的状況(恐竜は環境の変化に対応できずに滅んでしまう)が強調されている。この混沌とした自動車業界はどうなるのか? 卒業生としては心配でならない。企業の存続 30年説がチラつく。
そういえば、Fan to drive というキーワードも霞んでいる昨今だが、この辺りに鍵がありそうに思うのだが・・・・。そんな甘いものではおまへんでえ と言われそう。

自動車会社が消える日 井上久男著 文春新書