バンコク コールセンターで働く日本人

読み終えて暗澹たる思いだった。ハワイやカナダに漂流物(プラスティックゴミ)が集まる海岸がある。バンコク コールセンターはそんな場所に似ている。漂着するのは生きずらい日本を脱出してきた非正規労働者だったり、家族を捨てた人だったり、LGBTだったり。日本語でやれる海外就職の場(給料が安くてもタイの物価でならそこそこ暮らせる)として日本企業のバンコク コールセンターがある。ここで働く20代〜40代の日本人男女を追うルポルタージュ。一旦ここに堕ちたら這い上がれそうにない。格差社会の終着点を描いている。自業自得といえばそれまでだが、こういう人たちを生む日本社会を疎ましく思う。

だから、居場所が欲しかった。 水谷竹秀著 集英社