岸和田へまわったのは僕の Sentimental Journey 。南海電車の車窓にお城が瞬間現れてすぐ、蛸地蔵駅で下車。祖父 祖母と暮らした長屋を訪ねたが、もうすっかり面影がなかった。途中通った16軒長屋には連子格子が残っていて懐かしかった。建物は変わったが路地の形は変わっていない。もっと距離があったはずなのに短く空間は狭く感じた。幼かったころの記憶との差、70年も前のことだから。今は立派なお城が立っているが、僕の幼い頃は石垣とお堀だけだった。小学校に入ってからは東京暮らしで、毎夏岸和田で過ごした。故郷に帰ったつもりだった。だんじりの笛の音が聞こえる頃は東京に帰らなくてはならなかった。
車窓から
16軒長屋
岸和田城は千亀利城と言った
こんなりっぱな城門はなかった