山海記(せんがいき)

佐伯一麦の最新刊 奈良盆地の中央部に位置する大和八木から吉野 十津川を経て新宮へのバスの旅。この街道に纏わる歴史と東日本大震災を撚り合わせて克明な語りが続く。日本書紀から南北朝 芭蕉の時代 幕末期の十津川郷士・・・。よくもここまで調べたものと感心する。歴史的な雰囲気と共にバスの旅(167 167の停留所 日本一の長距離バス)。新境地の作品だが、東日本大震災への鎮魂歌でもある。梅雨の時期に読むのに相応しい。

山海記   佐伯一麦著 講談社

f:id:tsaito758:20190627104151j:plain