海の見える理髪店

著者は小説にアルツハイマーとか認知症を取り上げた一番手の作家。「明日の記憶」だった。認知症はあれからより身近なそして深刻な問題となってきた。

6編から構成される短編小説集で、それぞれの家族の事情が物語。表題作がいい。年老いた理髪店主と若い客、昔そうだったやり方で散髪が進むうち店主は客のつむじから長いこと会ってなかった息子だと気がつく。ホロリとさせられる。直木賞受賞作。小説の舞台装置がいいなあと思った。

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海の見える理髪店 荻原 浩著 集英社