ポン・デュ・ガール 古代ローマの水道橋

TV番組「世界遺産」でポン・デュ・ガールが紹介された。今年の春、出かけたところだ。
空撮と内部水路の構造シーンに圧倒された。


この水道橋は南フランスの古代都市ニームに飲料水を送るためにAC19年に建造された。
水源とこの都市との高低差はわずか17m。水路全長は50Kmにおよぶ。
わずかな勾配(34cm/1Km)で水を送り込もうとする。
その勾配を維持して山をくり貫き、河を渡る架橋。なんと気宇壮大なことか!
橋は河の水面からの高さが49m(14階建てビル相当)の3層のアーチ構造の石造。
現地で見上げたときの巨大感・迫力もすごかったが、
空撮で周囲の環境の中でみる全景は迫力満点だった。
水路は幅1.2m、高さ1.8m一定に作られている。
防水処理がほどこされ、メンテナンスも行われた。
こんな巨大な建造物が2000年も前に作られていたことは驚異だ。
その当時の科学者、エンジニア、職人はどんな生活をしていたのか興味津々。
2002年の大洪水にも耐えた。怒涛のような濁流が橋脚を洗う。
橋桁に併設された3角形の柱が水圧を分散した。アーチ橋はビクともしなかった。
水路は構造的な理由で崩壊したのではない。人の争いのなかに破壊されていった。
そこを知りたい。そろそろ、塩野七生さんの「ローマ人の物語」に復帰しようかな。