あの頃、あの詩を

あの頃、あの詩を 鹿島 茂編 文春新書
団塊の世代(僕より3,4歳若い)が中学校時代に教科書で読んだ詩のアンソロジー。
昭和33年から昭和42年にかけての10年間の教科書に載っていた詩。
教科書の編集者たちは僕たちの親の世代(明治末から大正はじめ生まれ)が戦後の若者に伝えたかった平和・明るさ・希望・・・。
大正ロマンが中心なのだろう。
僕にとって、この10年間は高校入学から就職して2年まで。
その頃、詩に無関心だった。軟弱に思えたり、メカニカルなものに興味があった。
今思うと、詩は凄い。ひとつの言葉がイメージを点火する。
あの頃の情景があざやかに蘇える。
朝は鮮やかだったし、輝いていた。夕方は寂しかった。
草原は草いきれでいっぱいだった。
この本は、またページを繰りたくなる一冊。