なぎさホテル

著者(伊集院静)の揺籃期というか「いねむり先生」に先立つ無頼な時代の自伝的私小説
逗子の浜辺にある古い小さなホテルに7年間の間住みつく。
ホテルの支配人や従業員との交流、荒れた暮らしの中から小説を書くようになっていく暮らしぶりが描かれていく。
少しだけ夏目雅子(著者と結婚、まもなく亡くなる)とのことに触れている。
「海峡」「岬へ」などの自伝小説の一部を構成している。無頼な暮らしの中での文学修行。
ひかる湘南の海が目に浮かぶ。小品にして佳作。

なぎさホテル 伊集院静 小学館