村上ソングズ

ハルキオタクを自認するNさんが貸してくれた「村上ソングズ」。最近では珍しく函入り。村上春樹和田誠のコラボレーション。ポートレイト・イン・ジャズのヴォーカル版と言った感じ。村上春樹が歌詞を訳してその曲にまつわる雑談風のエッセイーが書かれている(原歌詞添え)。和田誠がイラストを描いている。そういうのが29編(そのうち2編は和田誠訳でエッセイーも書いている)。村上春樹の部屋で彼がLPやCDを出してきて、それを流しながらの雑談を聴く。そばに和田誠がいて相槌をうっているようだ。大半が知らない曲でジャズ・ロック系だが、僕も昔よく聴いたグレン・キャンベルの「ガルヴェストン」がでてきた時は、懐かしさでいっぱいになった。主人公はヴェトナムに送られた兵士。ライフル銃を磨きながら故郷に残した恋人を思う。ガルヴェストンはメキシコ湾に面した港町だ。Autumn in New Yorkは手元にあったSalena Jones が歌ったのを聴きながら読んだ。フォークソングにも触れてもらいたかったなあ。
和田誠のイラストが楽しかった。Nさんどうもありがとう。
村上ソングズ 村上春樹和田誠著 中央公論新社