「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

著者はフランスの歴史人口学者・家族人類学者。乳児死亡率 の上昇からソ連崩壊を予測したことで有名。その彼がEUの将来を読み解く。フランス民主主義の崩壊、ドイツの覇権、ロシアとの紛争などを論じている。ドイツの見方がVW問題を考える上で大いに役立ちそうだ。ドイツ(ゲルマン)の家族構造(家族的・家父長的)はVWの会社体質と重なる。集団としての規律を重んじる。それは文句を言えない風土につながる。そこに今回のVW問題の根っこがあるように思う。フランス人の忸怩たる思いもかいま見える。

ドイツ帝国」が世界を破滅させる エマニュエル・トッド著 文春新書