実践 快老生活

僕がまだ若い頃、渡部昇一先生のベストセラー「知的生活の方法」は仰ぎ見るような感じと葡萄棚の下の狐的な感じ(美味しそうに見えるけど美味しくはないのではないか)がしていた。執筆生活とか知的発信をする研究者のスタイルであって、サラリーマンにとってはちょっと違うのではないかと薄々思っていた。あれから40年経って、先生自身の知的生活はどうなっているのかという興味半分でこの本を手にした。その当時サンピン(竹村健一堺屋太一あるいは谷沢永一との3人組)と言われて社会評論家として仰ぎ見たものだった。唯我独尊はあまり変わっていなかった。そして普通の老人に変貌していた。僕は祖父と話をするのが好きだったから、老人の話への親しみとそんなもんさという見限りが交錯する。「知的・・・・」という言葉もなにやら棚ざらし感がするのだ。そんなわけで年寄りのよもやま話におつき合いしたというのが読後感。

実践 快老生活 渡部昇一著 PHP新書