花神

司馬遼の花神を年越しでようやく読み終えた。いろいろ雑用があっていっき読みとはいかなかった。花神とは中国の花咲か爺のこと、幕末に維新(革命)の花を撒いた主人公を指す。大村益次郎(村田蔵六)はまったく奇人・変人。長州生まれの田舎医者で蘭学者明治維新を前へ前へ動かしていく。それも僅か3年余の短い時間で。第二次長州征伐で長州軍司令官となって頭角をあらわし、その合理主義で革命を遂行した。暗殺されるまでの活動期は、僅か3年余だった。明治維新の英雄 西郷隆盛もこの人にかかったら唯の朴念仁に過ぎない、相手にしていない。さらに西郷が反革命の動きをすること予期して政府軍の整備を進めている。10年後に想定通りに西南戦争がおきる。撚り糸のようにシーボルトの娘イネとの関わりが語られる。それも人物像を強く印象づけた。読み終えて幕末の動向が少しわかって来た。長州は薩摩より上手だったのだ。幕末を描いた「世に棲む日日」「竜馬がゆく」と読み継いでいきたい。もうあまり時間がない。
大村益次郎像が靖国神社にあるという。ぜひ見に行こうと思う。国に殉じたということなのだろうか?