晩秋の陰画(ネガフィルム)

時代小説 なかでも江戸人情話の名手と言われる山本一力の現代ミステリーということで関心を持って読み始めた。4編の短編から構成されている。どれもちょっと変わっているが深みというかしっとり感に欠けた。どれも奇譚がかったところがある。道具立としてやたらとブランドやアイテムの薀蓄があるのが気になった。映画「冒険者たち」、ロストロポービッチのチェロ演奏が登場するところは共感。もう一度見直したり、聴き直したい。
山本一力はやっぱり時代小説の方がいい。

晩秋の陰画(ネガフィルム) 山本一力著 祥伝社