森村誠一さんの「老いる意味」を読み終えた。この本を手にしたのは、老人性うつを克服したこと、サラリーマン作家として親しみを持っていたこと、谷間に飛んでいく麦わら帽子(人間の条件)が忘れられないなどから。この本では 老いることをさして重大事に捉えていない。さらっとかわして行けばいいと感じだ。作者の誠実さがわかる。写真俳句もいいなあと思ったが、1日 1絵と二兎を追うのもなんだかなあ。
昨日に引き続き寒い。7℃だから一昨日から15℃も低く、寒暖差疲労にも繋がる。そのうえ花粉症が大変、目がしょぼしょぼ、鼻がぐじゅぐじゅ、喉も痛い。それを押して東山植物園に春を訪ねた。自然はいったん春になると、寒くなったからといって戻るわけでもなく冷気のなかに春を振りまいていた。植物に目がいって野鳥は疎かになってしまった。ジョウビタキだけしかシャッターチャンスがなかった。春爛漫までにはもう一歩だが、早春には早春の趣がある。
手入れのいきとどいた植物園が身近にあるのは、ありがたい。高齢の名古屋市民は100円で利用できるし、知る人ぞ知る駐車場(ちょっと歩くが)は無料だ。帰りにお気に入りのパン屋に寄ってランチのパンを買って帰った。お店の看板のひとつにカモのがあったのでバードウォッチングがわりにパチリ。
家族に誘われてバンクシー展@旧名古屋ボストン美術館(金山)を観てきた。なかなかインパクトがあった。反骨の画家は街のビル壁面に世相を皮肉った(鋭く矛盾をついた)絵を描いた。数年前から話題になっていたが、実物を見るまで何のことかわからなかった。ミーハーで出かけたが、パワーを感じた。壁面に無断で描くことは犯罪でもあるので、見つかったときにぱっとにげるためにステンシルを作ってスプレーを吹き付けて描いたそうだ。ストリートアートの持つ政治性、主張を強く感じた。印象に残る展覧会になるだろう。
この展覧会の音声ガイドがすばらしくいい。94作品を画像と日本語で解説されている。izi.TRAVEL というアプリをダウンロードしバンクシー展にアクセスすれば展覧会に行かなくても楽しめてしまう。これにはビックリ。時間を見つけて楽しもうと思う。
昨日、水彩画を描いていて思いついたこと。何のケースだったか忘れたが、透明なプラケース。下絵の上にこれを置いて絵の具を溶く。そうすると直接下絵の上で色合わせができるので、別の紙で試し塗りの必要がなくなる。これまでそんな描き方を見たことがない。水彩画の一工夫、省力画法としてどうだろう。