夢を売る男

百田尚樹の小説。書評は今ひとつだったが、読み進めたら結構面白く読めた。ある出版社の辣腕編集部長が主人公。本を企画して売ることで儲けるのではなく、本を出版したくてしょうがない人(著者 カモ)から金をむしり取る男の話だ。ジョイント・プレス(出版社と著者とでお金を出して出版)という詐欺まがいの方法で著者に200万円近い金を出させる。実際は1500部程度しか印刷せず50万円くらいの経費でごまかす。その差額がその出版社の儲けとなる。著者が店頭に本が出ていないとクレームつけると「売れてるからですよ」言い逃れる。・・・・・まるでオレオレ詐欺のようにそれに引っかかる人がいる。世の中には自分の本を出したくてしょうがない人(自己顕示欲が強い人)がたくさんいるのだ。主人公は「夢を売っているのだ」とうそぶく。

夢を売る男 百田尚樹著 太田出版