「超」集中法

著者は高校の同窓生(2年上級)ということもあって、多くの著書を読んできた。工学部出身の経済学者。教養の深さにいつも圧倒されている。「超」なになにというタイトルは、「超」整理法あたりからだった。随分参考にさせてもらった。「超」には抵抗感があったが、最近は若いひとも「チョー」なになにを連発しているので気にならなくなった。
この本は最新刊だが、これまでの著書の内容と重複する部分が多い。2:8の法則はパレートの法則としてよく知られているところ。コアが占める量的な比率は2割り程度だけれど、成果や価値の8割を占める。ここに注目した勉強法・仕事法、整理法だが、ビジネスではコアの変化に対応する必要があり、それは大局観。ビッグデータの活用も重要。
しかし万事が2:8の法則に則っているわけではなく、べき乗分布やフラクタル性、ロングテールブラックスワンを考えなくてはならないケースがある。
社会現象を見る上で大いに役立ちそうだが、実生活での活用は整理法どまりだなあ。

「超」集中法 野口悠紀雄著 講談社現代新書