京都・伏見で若冲の墓を訪ねた。京阪線の深草駅から東の山に向かって住宅地を抜けると石峰寺があった。ここは若冲の終焉の地。晩年に情熱を傾けた五百羅漢がおわします。石峰寺は黄檗山の禅寺。草むす田舎の寺だったろう。
若冲は天明の大火(1788年)で錦市場の家を焼け出され、石峰寺の古庵に住み1800年に85歳で没した。斗米翁と称して米1斗と1画を交換して生活をたて、石工に下絵を渡して五百羅漢を作った。木喰や円空に通じる素朴さが魅力。ひょうきんな表情に晩年の若冲の姿が重なる。竹林の五百羅漢は霊地ということで撮影・スケッチが禁止。境内はOKだったので、咲き乱れる秋の花々を撮影してきた。名前は庫裏の奥さんに聞いた。
若冲の墓は伏見の町を見下ろし、遠く大阪と京都の境界となっている山々が望まれる。京都を焼け出された絵師は五百羅漢に囲まれ、この眺望を見ながら眠っている。
吉井 勇の一首
我もまた落葉のうえに寝ころびて 羅漢の群れに 入りぬべきかな
石峰寺の石段
石峰寺の本堂
庫裏とコスモス 夏ミカンがたわわに生っていた
五百羅漢
クチナシ
ハギ
ショウガ
シオン
ナツメ
ホトトギス
若冲の墓
墓からの眺望
石段を降りる