中国大難

きたきつね氏推薦の本。
中国という大難 富阪 聡著 新潮社
まこと、時期をえた本である。
面白く読んだ。そして戦慄をおぼえた。
四川大地震を中国はどう乗り越えていくのか。
この本の指摘する大難が噴出するのか。
第一の問題は水不足・汚染。
南から運河で北に水を運ぶ「南水北調」事業、三峡ダム
人工降水の実用化など手を打ってはいるものの焼け石に水。
石油問題の後は、水問題が現実化してくる(そうなれば日本は資源大国)。
第二の問題は汚職格差社会
腐敗を甘受している社会。汚職は手抜き工事の横行に繋がり、
四川大地震の災害の規模の大きさに行きつく。
がむしゃらに経済拡大を続けなくては倒壊してしまう社会。
第三の問題は、人民解放軍
党と軍の関係、近代化を急ぐ軍とその影響、行き先のない退役軍人・・・・・
さらに日中関係の危うさ。環境問題。大ナタを振るうべき改革が進展しない。
著者は「中国問題はもはや日本の国内問題というべき」という。
鳥インフルエンザは、ニワトリ、水鳥、豚が一緒に飼育される環境が最悪とされる。
それが中国の南部でみられる農場のスタイル。そして日本に向かって西風が流れる。