ランドラッシュ 激化する世界農地争奪戦 NHK 取材班 新潮社
ウクライナ、ロシア沿海地方、エチオピア、タンザニアなど世界各地で企業による農地の囲い込みがおきている。
囲い込んでいるのはスウエーデンやセルビア、韓国などの企業集団。
インド、中東産油国、韓国、中国などは海外からの食糧確保を国策としてランドラッシュに拍車をかけている。
肥沃な大地に大型農機が導入され大農法で耕作されていく。
そのことによって現地の農民はますます困窮化していく。
世界的には余るほど穀物は生産されているのに、食糧難にあえぐ極貧国が多い。
日本の政策は後れをとるばかりか、米国の農業政策に翻弄されている。
ランドラッシュは農業投資ビジネスなのか、新植民地主義なのか？
国連の特別報告官の指摘が正鵠をえているように思う。
飢餓や栄養不良の原因は、「生産量の不足」ではなく「貧困と不平等」という指摘。
なかなかテンポよくレポートされていて読ませる。
