変わった世界 変わらない日本

経済学オンチの僕には、一読ではわかりかねた(腑に落ちない)。金融緩和政策(アベノミクス)では日本経済の活性化(日本再生)はできない。現在の日本経済は20世紀型グローバリゼーション(製造業中心)にとどまり旧構造のままだ。IT革命は1980年代のPC、1990年代のNETにより技術体系に大きな変化をもたらした。産業革命に匹敵する。アメリカやイギリスはIT技術を駆使した産業構造(金融業、IT産業、水平分業)に変革を遂げたのに、日本はモノづくりにこだわり続けている。論調、視点は正しいと思った。本のタイトルどおり「変わった世界 変わらない日本」なのだ。
どういう文脈だったか忘れたが、「寛容性」についてエイミー・チェアの言葉を引いて、世界をリードする最強国の条件は寛容性だといっている。異なる人種や多様な宗教・文化を許容すること。古代ペルシャ帝国の時代から世界を支配する国や社会は寛容政策を採用することで勃興した。でも残虐非道なイスラム国に寛容政策はないだろう。

変わった世界 変わらない日本 野口悠紀雄著 講談社現代新書